紙面掲載した書評をご紹介 「図書新聞」の書評コーナー

1949年創刊。硬派な人文書からホットなサブカルチャーまで紹介する週刊の書評新聞「図書新聞」とe-honのコラボ企画!

「図書新聞」の紙面で紹介した書評や、対談記事をご紹介します。【週1回更新】
取り上げる本や評者を厳選し、確かな見識で深く掘り下げた書評は「読み応えアリ」です!
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 ◆ 3300号(4月15日発売号掲載)

いつも心に革命を

――われわれは「未開人」である
鼎談:森元斎 栗原康 マニュエル・ヤン

 ■森元斎著『アナキズム入門』(ちくま新書)が出版された。ありそうで(久しく)なかったユニークな本だ。著者の森氏と、栗原康氏、マニュエル・ヤン氏による、本書をめぐるトークイベントが開催された。本稿はその採録である。(3月5日、東京・新宿イレギュラー・リズム・アサイラムにて。須藤巧・本紙編集)

 ■アナキズムの精神とは何か…続きを読む

フェミニズムはみんなのもの、のその先へ

――フェミニズムへのさまざまな偏見をユーモラスに喝破
評者:佐藤 靜

 「フェミニズム」という言葉には、気づけばへばりついているイメージというものがある。女性が直面している不正と不平等と、それに抗する運動の総称としてのフェミニズム。しかしそれは、「怒りっぽい、セックス嫌いの、男嫌いの、被害者意識でいっぱいの気取り屋」とカリカチュアされてきた。

 本書はそうした偏見あるいはスティグマを軽やかに後景化していく。そして、単数では語れない複数のフェミニズムのイメージを、彼女はウィットに富んだ仕方でもって、「自分はバッド・フェミニスト」であると公言する。この書のタイトルでもあるそのキャッチフレーズ、〈バッド・フェミニスト〉。彼女はこれを多層なメタファとして駆使しつつ、フェミニズムにたいするさまざまな偏見をユーモラスに喝破していく。…続きを読む

闘争は継続しているのだ

――本書は女性のみならず/というよりも、まず男にこそひろく読まれてしかるべきだろう
評者:入江公康

 ハーブ栽培、菜園の手入れ、薬の調合、饗宴、闇、星の位置、集会、動物や家禽たち、避妊とお産・助産、媚薬や恋のまじない、予言、共感をもふくめた民間医療など――ミクロコスモスはマクロコスモスと照応し、素朴な汎神論が、アニミズムがひそやかに息づき、民衆のなかに「魔術」は、ある必然的なもの、実際的なものとして存在していた。それは外部の者からはわからない、もしくはじしんもすぐにはそれとわからない、生活に内在する、おそらくは不可欠のロジックとして存在したはずだったのだ。そして、女たちは「魔術」とされたものが可能になる草の根の延長で、彼女たちの紐帯と自律性とを保持しえていたのである。ここから問われねばならないのは、われわれは魔女・魔術について、いったい、なにを知ろうとしていたというのか、ということだ。…続きを読む