第167回芥川龍之介賞・直木三十五賞の候補作をご紹介します(作者五十音順・敬称略)。
選考会は7月20日(水) 午後4時から、都内で開催されます。
小砂川チト(こさがわ ちと)『家庭用安心坑夫』(群像6月号)
鈴木涼美(すずき すずみ) 『ギフテッド』(文學界6月号)
高瀬隼子(たかせ じゅんこ)『おいしいごはんが食べられますように』(群像1月号)
年森瑛(としもり あきら)『N/A(エヌエー)』(文學界5月号)
山下紘加(やました ひろか)『あくてえ』
〜大賞〜
逢坂冬馬/著
1942年、独ソ戦のさなか、モスクワ近郊の村に住む狩りの名手セラフィマの暮らしは、ドイツ軍の襲撃により突如奪われる。母を殺され、復讐を誓った彼女は、女性狙撃小隊の一員となりスターリングラードの前線へ──。第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。
■第166回直木三十五賞
今村翔吾/著
幼い頃、落城によって家族を喪った石工の匡介。彼は「絶対に破られない石垣」を造れば、世から戦を無くせると考えていた。一方、戦で父を喪った鉄砲職人の彦九郎は「どんな城も落とす砲」で人を殺し、その恐怖を天下に知らしめれば、戦をする者はいなくなると考えていた。秀吉が死に、戦乱の気配が近づく中、琵琶湖畔にある大津城の城主・京極高次は、匡介に石垣造りを頼む。攻め手の石田三成は、彦九郎に鉄砲作りを依頼した。大軍に囲まれ絶体絶命の大津城を舞台に、信念をかけた職人の対決が幕を開ける。ぶつかり合う、矛楯した想い。答えは戦火の果てに―。「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く、圧倒的戦国小説!
〜文学・芸術部門〜
河尻亨一/著
デザイナー石岡瑛子、世界初の評伝。その晩年に偶然、彼女と出会えた著者は、石岡瑛子のワーク&ライフを記録する時間の旅に出てみたいと思った。石岡瑛子を“主人公”として物語る表現者たちとその時代のストーリー。ときをこえて人の心を動かすものとは何か?命のデザインとは?
〜人文・社会部門〜
益田肇/著
冷戦とは何だったのか。大国同士の駆け引きや政治リーダーを主人公とする従来の物語とは一線を画し、無数の名もなき人びとの日常的な想像と行為の連鎖と、現実政治との影響関係から冷戦初期の歴史を描く。恐怖、不安、敵意、憎悪、願望……現実は人びとにどう想像され、それは増幅拡散してどのように新しい現実を生み出していったのか。
〜自然科学部門〜
田中久美子/著
これほど複雑・多様かつ変化する人間のことばにあって、どんな時代の、どんな言語の、どんなジャンルでも成り立つという「統計的言語普遍」。その不思議を検証し、その意味を考えることから、人間の記号使用の深奥に迫ってゆく。
〜企画部門〜
松岡和子/訳
シェイクスピア劇、待望の新訳刊行!普遍的な魅力を備えた戯曲を、生き生きとした日本語で。詳細な注、解説、日本での上演年表をつける。
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