受賞作情報

第77回毎日出版文化賞2023.11.6

〜文学・芸術部門〜

太陽諸島
<講談社>

多和田葉子/著

言葉で結びついた仲間たちの、時空を超えた出会いと冒険を描く、多和田葉子の新たな代表作。『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』に続くサーガ、ついに完結!

〜人文・社会部門〜

ラジオと戦争 放送人たちの「報国」
<NHK出版>

大森淳郎・NHK放送文化研究所/著

最先端のメディアとして颯爽と登場したラジオ。その担い手である「放送人」たちが先の戦争に直面して感じた矜持や高揚、煩悶や諦念とは。戦時におけるメディアの功罪を、「仕方がなかった史観」を乗り越えて問う。膨大な資料渉猟と長期にわたる取材から捉え直した、渾身のノンフィクション!

〜自然科学部門〜

まちがえる脳
<岩波新書>

桜井芳雄/著

人はまちがえる。それは、どんなにがんばっても、脳がまちがいを生み出すような情報処理を行っているから。しかし脳がまちがえるからこそ、わたしたちは新たなアイデアを創造し、高次機能を実現し、損傷から回復する。そのような脳の実態と特性を、最新の研究成果をふまえて解説。心とは何か、人間とは何かに迫る。

〜企画部門〜

昭和天皇拝謁記 初代宮内庁長官田島道治の記録全7巻
<岩波書店>

古川隆久他/編集

天皇の戦争責任や退位問題にかかわり長官在任中に作成した関連文書、田島宛書簡、さらに退任後の日記を選りすぐって収録し、「拝謁記」人名索引を付す。象徴天皇制のありようを模索し奔走する長官としての姿に加え、退任後は皇太子妃選考に大きな役割を果たすなど、晩年も皇室の行く末を案じ続けた田島の生涯が浮かび上がる。

〜特別賞〜

杉浦康平と写植の時代 光学技術と日本語のデザイン
<慶応義塾大学出版会>

阿部卓也/著

戦後日本のグラフィックデザインを牽引したデザイナー、杉浦康平。彼は写植という新たな技術といかに向きあい、日本語のデザインといかに格闘したのか。杉浦康平が日本語のレイアウトやブックデザインに与えた決定的な影響を明らかにする。

第10回 料理レシピ本大賞 受賞作決定!2023.9.13

〜大賞〜

やる気1%ごはん
<KADOKAWA>

まるみキッチン/著

本書は、料理が苦手、疲れてごはんづくりどころではない、でも美味しいものは食べたいといった人の願望を叶えるレシピ本を目指しました。800品超ある手持ちのレシピの中から厳選、さらに新作レシピを150品収録。バラエティに富んだ500品を収録しました。

〜準大賞〜

JA全農広報部さんにきいた世界一おいしい野菜の食べ方
<KADOKAWA>

JA全農広報部/監修

旬の野菜の見分け方から一押しレシピ、調理・保存法まで。ちょっとした工夫で素材の魅力をぐんと引き出す、野菜のティップスが満載!

第169回 芥川龍之介賞・直木三十五賞 受賞作決定!2023.7.19

■第169回芥川龍之介賞

ハンチバック
<文藝春秋>

市川沙央/著

井沢釈華(しゃか)の背骨は、右肺を押しつぶす形で極度に湾曲している。両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、某有名私大の通信課程に通い、しがないこたつ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説を投稿し、零細アカウントでツイートするーー。

■第169回直木三十五賞

極楽征夷大将軍
<文藝春秋>

垣根涼介/著

やる気なし使命感なし執着なしなぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?謎に包まれた室町幕府初代将軍、足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。

木挽町のあだ討ち
<新潮社>

永井紗耶子/著

芝居小屋の立つ木挽町の裏通りで、美少年菊之助は父親を殺めた下男を斬り、みごとに仇討ちを成し遂げた。二年後、ある若侍が大事件の顛末を聞きたいと、木挽町を訪れる。芝居者たちの話から炙り出される、秘められた真相とは…。

第169回 芥川龍之介賞・直木三十五賞 候補作品決定!2023.6.16

第169回芥川龍之介賞・直木三十五賞の候補作をご紹介します(作者五十音順・敬称略)。
選考会は7月19日に、都内で開催されます。

■第169回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)

石田夏穂(いしだ かほ)『我が手の太陽』(講談社)

市川沙央(いちかわ さおう)『ハンチバック』(文藝春秋)

児玉雨子(こだま あめこ)『##NAME##』(文芸 2023年5月号)

千葉雅也(ちば まさや)『エレクトリック』(新潮社)

乗代雄介(のりしろ ゆうすけ)『それは誠』(文藝春秋)

■第169回直木三十五賞 候補作(出版社)

冲方丁(うぶかた とう)『骨灰』(KADOKAWA)

垣根涼介(かきね りょうすけ)『極楽征夷大将軍』(文藝春秋)

高野和明(たかの かずあき)『踏切の幽霊』(文藝春秋)

月村了衛(つきむら りょうえ)『香港警察東京分室』(小学館)

永井紗耶子(ながい さやこ)『木挽町のあだ討ち』(新潮社)

2023年本屋大賞2023.4.12

〜大賞〜

汝、星のごとく
<講談社>

凪良ゆう/著

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

第168回 芥川龍之介賞・直木三十五賞 受賞作決定!2023.1.19

■第168回芥川龍之介賞

この世の喜びよ
<講談社>

井戸川射子/著

幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼び覚ましていく表題作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。 ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。

荒地の家族
<新潮社>

佐藤厚志/著

あの災厄から十年余り、男はその地を彷徨いつづけた。元の生活に戻りたいと人が言う時の「元」とはいつの時点か――。40歳の植木職人・坂井祐治は、あの災厄の二年後に妻を病気で喪い、仕事道具もさらわれ苦しい日々を過ごす。地元の友人も、くすぶった境遇には変わりない。誰もが何かを失い、元の生活には決して戻らない。仙台在住の書店員作家が描く、止むことのない渇きと痛み。

■第168回直木三十五賞

地図と拳
<集英社>

小川哲/著

「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」 日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野…。奉天の東にある“李家鎮”へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。

しろがねの葉
<新潮社>

千早茜/著

男たちは命を賭して穴を穿つ。山に、私の躰の中に――戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。生きることの官能を描き切った新境地にして渾身の大河長篇!

第39回織田作之助賞 受賞作決定!2022.12.23

水平線
<新潮社>

滝口悠生/著

枝分かれする時間、交差する人生を映し出す長篇小説。激戦地となった硫黄島に生きた人々の言葉が、時を超えて現代に届く。

第168回 芥川龍之介賞・直木三十五賞 候補作品決定!2022.12.16

第168回芥川龍之介賞・直木三十五賞の候補作をご紹介します(作者五十音順・敬称略)。
選考会は1月19日に、都内で開催されます。

■第168回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)

安堂ホセ(あんどう ほせ)『ジャクソンひとり』

井戸川射子(いどがわ いこ) 『この世の喜びよ』

グレゴリー・ケズナジャット『開墾地』(群像 2022年11月号)

佐藤厚志(さとう あつし)『荒地の家族』(新潮 2022年12月号)

鈴木涼美(すずき すずみ)『グレイスレス』

■第168回直木三十五賞 候補作(出版社)

一穂ミチ(いちほ みち)『光のとこにいてね』(文藝春秋)

小川哲(おがわ さとし)『地図と拳(こぶし)』(集英社)

雫井脩介(しずくい しゅうすけ)『クロコダイル・ティアーズ』(文藝春秋)

千早茜(ちはや あかね)『しろがねの葉』(新潮社)

凪良ゆう(なぎら ゆう)『汝(なんじ)、星のごとく』 (講談社)

主な文学賞

小説

ミステリー・SF

児童・絵本

コミック

ノンフィクション

ご当地型

ジャンル特化型