受賞作情報

第172回 芥川龍之介賞・直木三十五賞 受賞作決定!2025.1.15

■第172回芥川龍之介賞

DTOPIA
<河出書房新社>

安堂ホセ/著

舞台は南太平洋の楽園、ボラ・ボラ島。白人女性“ミスユニバース”を巡って10人の男が競う。Mr.L.A.、Mr.ロンドン、そしてMr.東京―やがてショーの視聴者たちは「自分だけのDTOPIA(デートピア)」を編集しはじめ、楽園の時間は膨張する。

ゲーテはすべてを言った
<朝日新聞出版>

鈴木結生/著

高明なゲーテ学者、博把統一は、一家団欒のディナーで、彼の知らないゲーテの名言と出会う。ティー・バッグのタグに書かれたその言葉を求めて、膨大な原典を読み漁り、長年の研究生活の記憶を辿るが……。ひとつの言葉を巡る統一の旅は、創作とは何か、学問とは何か、という深遠な問いを投げかけながら、読者を思いがけない明るみへ誘う。若き才能が描き出す、アカデミック冒険譚!

■第172回直木三十五賞

藍を継ぐ海
<新潮社>

伊与原新/著

数百年先に帰ってくるかもしれない。懐かしい、この浜辺に−−。なんとかウミガメの卵を孵化させ、自力で育てようとする徳島の中学生の女の子。老いた父親のために隕石を拾った場所を偽る北海道の身重の女性。山口の島で、萩焼に絶妙な色味を出すという伝説の土を探す元カメラマンの男−−。人間の生をはるかに超える時の流れを見据えた、科学だけが気づかせてくれる大切な未来。きらめく全五篇。

第17回 MOE絵本屋さん大賞2024.12.27

■第一位

大ピンチずかん2
<小学館>

鈴木のりたけ/作

子どもが大ピンチに陥ってしまったとき、その大ピンチの理由がわかれば、そんなにおそれることはない。進化した『大ピンチずかん2』では、子どもが陥りやすい大ピンチを、大ピンチレベルの順に掲載するのはそのままに、新たに採用した「大ピンチグラフ」で、6つの要素からその理由を解明する。さてきみの大ピンチの原因はなんだろう?ドキドキ?イライラ?それともつらい?

第172回 芥川龍之介賞・直木三十五賞 候補作品決定!2024.12.13

第172回芥川龍之介賞・直木三十五賞の候補作をご紹介します(作者五十音順・敬称略)。
選考会は来年1月15日に、都内で開催されます。

■第172回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)

安堂ホセ(あんどう ほせ)『DTOPIA』(河出書房新社)

鈴木結生(すずき ゆうい)『ゲーテはすべてを言った』(朝日新聞出版)

竹中優子(たけなか ゆうこ)『ダンス』(新潮社)

永方佑樹(ながえ ゆうき)『字滑り』(文藝春秋/文學界 2024年10月号)

乗代雄介(のりしろ ゆうすけ)『二十四五』(講談社)

■第172回直木三十五賞 候補作(出版社)

朝倉かすみ(あさくら かすみ)『よむよむかたる』(文藝春秋)

伊与原新(いよはら しん)『藍を継ぐ海』(新潮社)

荻堂顕(おぎどう あきら)『飽くなき地景』(KADOKAWA)

木下昌輝(きのした まさき)『秘色の契り 阿波宝暦明和の変顛末譚』(徳間書店)

月村了衛(つきむら りょうえ)『虚の伽藍』(新潮社)

このマンガがすごい!2025 決定!2024.12.13

「このマンガがすごい!2025」のオトコ編・オンナ編のランキング1位作品をご紹介します。
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■オトコ編 1位

君と宇宙を歩くために
<講談社>

泥ノ田犬彦/著

勉強もバイトも続かないドロップアウトぎみなヤンキーの小林。ある日彼のクラスに変わり者の宇野が転校してくる。小林が先輩から怪しいバイトに誘われているところを宇野に助けられ、その出来事をきっかけに2人の距離は縮む。宇野のことを知れば知るほど彼の生き方に惹かれ、自分も変わろうと行動する小林だったが…。「普通」ができない正反対の2人がそれぞれ壁にぶつかりながらも楽しく生きるために奮闘する友情物語。

■オンナ編 1位

環と周
<集英社>

よしながふみ/著

家族、恋、友情……さまざまな関係性で綴られる“好きのかたち”。
──現代編 中学生の一人娘が同級生の女の子とキスをしているのを目撃して動揺する妻。実は夫にも、かつて同級生の男の子を好きになったことがあった。
──明治時代編 大切な“お友達”になった女学生の環と周。周の縁談が決まり二人は離れ離れに……。
──70年代編 病気で余命わずかと知った環は、同じアパートに住む少年と出会い交流が始まる。
──戦後編 復員兵の周は元上官の環と再会し、闇市で一緒に店を始めるが、環には秘密があった。
──江戸時代編 周の夫を斬った相手は、幼馴染みの環だった。仇討ちのため再会したことから、二人の運命が変わり始める。

第78回毎日出版文化賞2024.11.5

〜文学・芸術部門〜

女の子たち風船爆弾をつくる
<文藝春秋社>

小林エリカ/著

日露戦争30周年に日本が沸いた春、その女の子たちは小学校に上がった。できたばかりの東京宝塚劇場の、華やかな少女歌劇団の公演に、彼女たちは夢中になった。彼女たちはウールのフリル付きの大きすぎるワンピースを着る、市電の走る大通りをスキップでわたる、家族でクリスマスのお祝いをする。しかし、少しずつ、でも確実に聞こえ始めたのは戦争の足音。冬のある日、軍服に軍刀と銃を持った兵隊が学校にやってきて、反乱軍が街を占拠したことを告げる。やがて、戦争が始まり、彼女たちの生活は少しずつ変わっていく。来るはずのオリンピックは来ず、憧れていた制服は国民服に取ってかわられ、夏休みには勤労奉仕をすることになった。それでも毎年、春は来て、彼女たちはひとつ大人になる。ある時、彼女たちは東京宝塚劇場に集められる。いや、ここはもはや劇場ではない、中外火工品株式会社日比谷第一工場だ。彼女たちは今日からここで、「ふ号兵器」、すなわち風船爆弾の製造に従事する……。

〜人文・社会部門〜

西行 歌と旅と人生
<新潮社>

寺澤行忠/著

184首の名歌と共に語られる、西行の魅力のすべて。「願はくは花の下にて春死なむ」−−どうすれば西行のように清々しく生きられるのか。出家の背景、秀歌の創作秘話、漂泊の旅の意味、桜への熱愛、無常を乗り越えた「道」の思想、定家との意外な関係、芭蕉への影響……偉才の知られざる素顔に迫る。西行一筋60年、西行歌集研究の第一人者がその魅力を語り尽くす決定版。

〜自然科学部門〜

量子力学の100年
<青土社>

佐藤文隆/著

第一人者がみた量子力学の軌跡。その魅力と不思議。1920年代、ド・ブロイ、ボーア、ハイゼンベルク、シュレーディンガー、ディラックなどが現在の量子力学の礎となる成果を続々と発表した。そして1926年、ボーアの手によって「コペンハーゲン解釈」がなる。ユネスコは2025年に量子力学百年を記念する取り組みを行うことを決議した。この間の量子力学の道のりは、アインシュタインの反対などに代表されるように紆余曲折ありつつも、不思議と魅力にみちたものだった。しかしいまや量子コンピュータから生成AIまで、あらゆるところに量子力学は存在している。はたしてそれは何故か、そもそも量子力学とは何で、そしていまどのような姿をしているのか。日本を代表する物理学者が、自らの目でみてきた量子力学の歴史を詳述する。

〜企画部門〜

日本映画時評集成 全4巻
<国書刊行会>

山根貞男/編集

徹底して日本映画の現在と格闘しながら新たな〈活劇の行方〉を問いつづける…。45年におよぶ《日本映画時評》を一挙単行本化!時評を突き抜けた圧巻の時評集成、最終巻。

〜特別賞〜

地震と虐殺 1923‐2024
<中央公論新社>

安田浩一/著

関東大震災の発生直後、各地で飛び交ったデマによって多くの朝鮮人が命を奪われた。非常時に一気に噴き上がる差別と偏見。東京で、神奈川で、千葉で、埼玉で、悲惨な事件はいかなるメカニズムで起きたか。虐殺の「埋もれた歴史」は誰によってどのように掘り起こされてきたか。100年余りが経過した現在、何が変わり、何が変わらないのか。歴史的事実を葬ろうとする者たち、人災を天災の中に閉じ込めようとする政治家、差別行為にお墨付きを与える行政……。差別やヘイトクライムの問題を長年追ってきたジャーナリストが100年余り前と現在を往還し、虐殺事件が及ぼし続ける様々な風景を描く。

次にくるマンガ大賞2024決定!2024.8.29

■コミックス部門第一位

カグラバチ
<集英社>

外薗健/著

刀匠を志す少年チヒロは、父の下で日々修行に励んでいた。おちゃらけた父と寡黙な息子。笑いの絶えない毎日がいつまでも続くと思っていたが…ある日悲劇が訪れる…。血塗られた絆と帰らない日常。少年は憎しみを焚べ、決意の炎を心に宿す…。

■webマンガ部門第一位

ふつうの軽音部
<集英社>

クワハリ・出内テツオ/著

ちょっと渋めの邦ロックを愛する新高校1年生・鳩野ちひろは、初心者ながらも憧れのギターを手に入れ、念願の軽音部に入部する。個性豊かな部員たちに困惑しつつも、バンドを結成することになるが!?超等身大のむきだし青春&音楽奮闘ドラマ、開幕!!

第171回 芥川龍之介賞・直木三十五賞 受賞作決定!2024.7.17

■第171回芥川龍之介賞

サンショウウオの四十九日
<新潮社>

朝比奈秋/著

同じ身体を生きる姉妹、その驚きに満ちた普通の人生を描く、芥川賞受賞作。周りからは一人に見える。でも私のすぐ隣にいるのは別のわたし。不思議なことはなにもない。けれど姉妹は考える、隣のあなたは誰なのか?そして今これを考えているのは誰なのか−−三島賞受賞作『植物少女』の衝撃再び。最も注目される作家が医師としての経験と驚異の想像力で人生の普遍を描く、世界が初めて出会う物語。

バリ山行
<講談社>

松永K三蔵/著

古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る気楽な活動をしていたが、職人気質で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿に、危険で難易度の高い登山「バリ山行」に連れて行ってもらうと…。

■第171回直木三十五賞

ツミデミック
<光文社>

一穂ミチ/著

大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中に話しかけてきた女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶と目の前の女の話に戸惑う優斗は―「違う羽の鳥」。調理師の職を失った恭一は、家に籠もりがち。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣に住む老人からもらったという。翌日、恭一は得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れると―「特別縁故者」。渦中の人間の有様を描き取った、心震える全6話。稀代のストーリーテラーが放つ、鮮烈なる犯罪小説集。

第171回 芥川龍之介賞・直木三十五賞 候補作品決定!2024.6.13

第171回芥川龍之介賞・直木三十五賞の候補作をご紹介します(作者五十音順・敬称略)。
選考会は7月17日に、都内で開催されます。

■第171回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)

朝比奈秋(あさひな あき)『サンショウウオの四十九日』(新潮社/新潮 2024年5月号)

尾崎世界観(おざき せかいかん)『転の声』(文藝春秋/文學界 2024年6月号)

坂崎かおる(さかさき かおる)『海岸通り』(文藝春秋)

向坂くじら(さきさか くじら)『いなくなくならなくならないで』(河出書房新社)

松永K三蔵(まつなが けー さんぞう)『バリ山行』(講談社/群像 2024年3月号)

■第171回直木三十五賞 候補作(出版社)

青崎有吾(あおさき ゆうご)『地雷グリコ』(KADOKAWA)

麻布競馬場(あざぶけいばじょう)『令和元年の人生ゲーム』(文藝春秋)

一穂ミチ(いちほ みち)『ツミデミック』(光文社)

岩井圭也(いわい けいや)『われは熊楠』(文藝春秋)

柚木麻子(ゆずき あさこ)『あいにくあんたのためじゃない』(新潮社)

2024年本屋大賞2024.4.10

〜大賞〜

成瀬は天下を取りにいく
<新潮社>

宮島未奈/著

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」中2の夏休み、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した―。新潮社主催新人賞で史上初の三冠に輝いた、圧巻のデビュー作!

第170回 芥川龍之介賞・直木三十五賞 受賞作決定!2024.1.17

■第170回芥川龍之介賞

東京都同情塔
<新潮社>

九段理江/著

日本人の欺瞞をユーモラスに描いた現代版「バベルの塔」。ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることに。犯罪者に寛容になれない建築家・牧名は、仕事と信条の乖離に苦悩しながら、パワフルに未来を追求する。ゆるふわな言葉と実のない正義の関係を豊かなフロウで暴く、生成AI時代の預言の書。

■第170回直木三十五賞

ともぐい
<新潮社>

河崎秋子/著

己は人間のなりをした何ものか−−人と獣の理屈なき命の応酬の果てには。明治後期の北海道の山で、猟師というより獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男、熊爪。図らずも我が領分を侵した穴持たずの熊、蠱惑的な盲目の少女、ロシアとの戦争に向かってきな臭さを漂わせる時代の変化……すべてが運命を狂わせてゆく。人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる、河崎流動物文学の最高到達点!!

八月の御所グラウンド
<文藝春秋>

万城目学/著

京都が生んだ、やさしい奇跡。ホルモー・シリーズ以来16年ぶり京都×青春感動作女子全国高校駅伝−−都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。謎の草野球大会−−借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたはひで杯に参加する羽目になった大学生。京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは−−。今度のマキメは、じんわり優しく、少し切ない人生の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る傑作2篇。

第40回織田作之助賞 受賞作決定!2023.12.25

それは誠
<文藝春秋>

乗代雄介/著

生き別れになった、大好きな「おじさん」に、もう一度会いたい。高校生たちの一日限りの冒険。第169回芥川賞候補作。

第10回 料理レシピ本大賞 受賞作決定!2023.9.13

〜大賞〜

やる気1%ごはん
<KADOKAWA>

まるみキッチン/著

本書は、料理が苦手、疲れてごはんづくりどころではない、でも美味しいものは食べたいといった人の願望を叶えるレシピ本を目指しました。800品超ある手持ちのレシピの中から厳選、さらに新作レシピを150品収録。バラエティに富んだ500品を収録しました。

〜準大賞〜

JA全農広報部さんにきいた世界一おいしい野菜の食べ方
<KADOKAWA>

JA全農広報部/監修

旬の野菜の見分け方から一押しレシピ、調理・保存法まで。ちょっとした工夫で素材の魅力をぐんと引き出す、野菜のティップスが満載!

主な文学賞

小説

ミステリー・SF

児童・絵本

コミック

ノンフィクション

ご当地型

ジャンル特化型