鈴木結生/著
高明なゲーテ学者、博把統一は、一家団欒のディナーで、彼の知らないゲーテの名言と出会う。ティー・バッグのタグに書かれたその言葉を求めて、膨大な原典を読み漁り、長年の研究生活の記憶を辿るが……。ひとつの言葉を巡る統一の旅は、創作とは何か、学問とは何か、という深遠な問いを投げかけながら、読者を思いがけない明るみへ誘う。若き才能が描き出す、アカデミック冒険譚!
「このマンガがすごい!2025」のオトコ編・オンナ編のランキング1位作品をご紹介します。
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■オトコ編 1位
泥ノ田犬彦/著
勉強もバイトも続かないドロップアウトぎみなヤンキーの小林。ある日彼のクラスに変わり者の宇野が転校してくる。小林が先輩から怪しいバイトに誘われているところを宇野に助けられ、その出来事をきっかけに2人の距離は縮む。宇野のことを知れば知るほど彼の生き方に惹かれ、自分も変わろうと行動する小林だったが…。「普通」ができない正反対の2人がそれぞれ壁にぶつかりながらも楽しく生きるために奮闘する友情物語。
■オンナ編 1位
よしながふみ/著
家族、恋、友情……さまざまな関係性で綴られる“好きのかたち”。
──現代編 中学生の一人娘が同級生の女の子とキスをしているのを目撃して動揺する妻。実は夫にも、かつて同級生の男の子を好きになったことがあった。
──明治時代編 大切な“お友達”になった女学生の環と周。周の縁談が決まり二人は離れ離れに……。
──70年代編 病気で余命わずかと知った環は、同じアパートに住む少年と出会い交流が始まる。
──戦後編 復員兵の周は元上官の環と再会し、闇市で一緒に店を始めるが、環には秘密があった。
──江戸時代編 周の夫を斬った相手は、幼馴染みの環だった。仇討ちのため再会したことから、二人の運命が変わり始める。
〜文学・芸術部門〜
小林エリカ/著
日露戦争30周年に日本が沸いた春、その女の子たちは小学校に上がった。できたばかりの東京宝塚劇場の、華やかな少女歌劇団の公演に、彼女たちは夢中になった。彼女たちはウールのフリル付きの大きすぎるワンピースを着る、市電の走る大通りをスキップでわたる、家族でクリスマスのお祝いをする。しかし、少しずつ、でも確実に聞こえ始めたのは戦争の足音。冬のある日、軍服に軍刀と銃を持った兵隊が学校にやってきて、反乱軍が街を占拠したことを告げる。やがて、戦争が始まり、彼女たちの生活は少しずつ変わっていく。来るはずのオリンピックは来ず、憧れていた制服は国民服に取ってかわられ、夏休みには勤労奉仕をすることになった。それでも毎年、春は来て、彼女たちはひとつ大人になる。ある時、彼女たちは東京宝塚劇場に集められる。いや、ここはもはや劇場ではない、中外火工品株式会社日比谷第一工場だ。彼女たちは今日からここで、「ふ号兵器」、すなわち風船爆弾の製造に従事する……。
〜自然科学部門〜
佐藤文隆/著
第一人者がみた量子力学の軌跡。その魅力と不思議。1920年代、ド・ブロイ、ボーア、ハイゼンベルク、シュレーディンガー、ディラックなどが現在の量子力学の礎となる成果を続々と発表した。そして1926年、ボーアの手によって「コペンハーゲン解釈」がなる。ユネスコは2025年に量子力学百年を記念する取り組みを行うことを決議した。この間の量子力学の道のりは、アインシュタインの反対などに代表されるように紆余曲折ありつつも、不思議と魅力にみちたものだった。しかしいまや量子コンピュータから生成AIまで、あらゆるところに量子力学は存在している。はたしてそれは何故か、そもそも量子力学とは何で、そしていまどのような姿をしているのか。日本を代表する物理学者が、自らの目でみてきた量子力学の歴史を詳述する。
〜企画部門〜
山根貞男/編集
徹底して日本映画の現在と格闘しながら新たな〈活劇の行方〉を問いつづける…。45年におよぶ《日本映画時評》を一挙単行本化!時評を突き抜けた圧巻の時評集成、最終巻。
〜特別賞〜
安田浩一/著
関東大震災の発生直後、各地で飛び交ったデマによって多くの朝鮮人が命を奪われた。非常時に一気に噴き上がる差別と偏見。東京で、神奈川で、千葉で、埼玉で、悲惨な事件はいかなるメカニズムで起きたか。虐殺の「埋もれた歴史」は誰によってどのように掘り起こされてきたか。100年余りが経過した現在、何が変わり、何が変わらないのか。歴史的事実を葬ろうとする者たち、人災を天災の中に閉じ込めようとする政治家、差別行為にお墨付きを与える行政……。差別やヘイトクライムの問題を長年追ってきたジャーナリストが100年余り前と現在を往還し、虐殺事件が及ぼし続ける様々な風景を描く。
■webマンガ部門第一位
ちょっと渋めの邦ロックを愛する新高校1年生・鳩野ちひろは、初心者ながらも憧れのギターを手に入れ、念願の軽音部に入部する。個性豊かな部員たちに困惑しつつも、バンドを結成することになるが!?超等身大のむきだし青春&音楽奮闘ドラマ、開幕!!
■第171回芥川龍之介賞
朝比奈秋/著
同じ身体を生きる姉妹、その驚きに満ちた普通の人生を描く、芥川賞受賞作。周りからは一人に見える。でも私のすぐ隣にいるのは別のわたし。不思議なことはなにもない。けれど姉妹は考える、隣のあなたは誰なのか?そして今これを考えているのは誰なのか−−三島賞受賞作『植物少女』の衝撃再び。最も注目される作家が医師としての経験と驚異の想像力で人生の普遍を描く、世界が初めて出会う物語。
第171回芥川龍之介賞・直木三十五賞の候補作をご紹介します(作者五十音順・敬称略)。
選考会は7月17日に、都内で開催されます。
朝比奈秋(あさひな あき)『サンショウウオの四十九日』(新潮社/新潮 2024年5月号)
尾崎世界観(おざき せかいかん)『転の声』(文藝春秋/文學界 2024年6月号)
坂崎かおる(さかさき かおる)『海岸通り』(文藝春秋)
向坂くじら(さきさか くじら)『いなくなくならなくならないで』(河出書房新社)
松永K三蔵(まつなが けー さんぞう)『バリ山行』(講談社/群像 2024年3月号)
青崎有吾(あおさき ゆうご)『地雷グリコ』(KADOKAWA)
麻布競馬場(あざぶけいばじょう)『令和元年の人生ゲーム』(文藝春秋)
一穂ミチ(いちほ みち)『ツミデミック』(光文社)
岩井圭也(いわい けいや)『われは熊楠』(文藝春秋)
柚木麻子(ゆずき あさこ)『あいにくあんたのためじゃない』(新潮社)
〜大賞〜
宮島未奈/著
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」中2の夏休み、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した―。新潮社主催新人賞で史上初の三冠に輝いた、圧巻のデビュー作!
万城目学/著
京都が生んだ、やさしい奇跡。ホルモー・シリーズ以来16年ぶり京都×青春感動作女子全国高校駅伝−−都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。謎の草野球大会−−借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたはひで杯に参加する羽目になった大学生。京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは−−。今度のマキメは、じんわり優しく、少し切ない人生の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る傑作2篇。
〜準大賞〜
JA全農広報部/監修
旬の野菜の見分け方から一押しレシピ、調理・保存法まで。ちょっとした工夫で素材の魅力をぐんと引き出す、野菜のティップスが満載!
小説
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