受賞作情報

第168回 芥川龍之介賞・直木三十五賞 受賞作決定!2023.1.19

■第168回芥川龍之介賞

この世の喜びよ
<講談社>

井戸川射子/著

幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼び覚ましていく表題作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。 ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。

荒地の家族
<新潮社>

佐藤厚志/著

あの災厄から十年余り、男はその地を彷徨いつづけた。元の生活に戻りたいと人が言う時の「元」とはいつの時点か――。40歳の植木職人・坂井祐治は、あの災厄の二年後に妻を病気で喪い、仕事道具もさらわれ苦しい日々を過ごす。地元の友人も、くすぶった境遇には変わりない。誰もが何かを失い、元の生活には決して戻らない。仙台在住の書店員作家が描く、止むことのない渇きと痛み。

■第168回直木三十五賞

地図と拳
<集英社>

小川哲/著

「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」 日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野…。奉天の東にある“李家鎮”へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。

しろがねの葉
<新潮社>

千早茜/著

男たちは命を賭して穴を穿つ。山に、私の躰の中に――戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。生きることの官能を描き切った新境地にして渾身の大河長篇!

第39回織田作之助賞 受賞作決定!2022.12.23

水平線
<新潮社>

滝口悠生/著

枝分かれする時間、交差する人生を映し出す長篇小説。激戦地となった硫黄島に生きた人々の言葉が、時を超えて現代に届く。

第168回 芥川龍之介賞・直木三十五賞 候補作品決定!2022.12.16

第168回芥川龍之介賞・直木三十五賞の候補作をご紹介します(作者五十音順・敬称略)。
選考会は1月19日に、都内で開催されます。

■第168回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)

安堂ホセ(あんどう ほせ)『ジャクソンひとり』

井戸川射子(いどがわ いこ) 『この世の喜びよ』

グレゴリー・ケズナジャット『開墾地』(群像 2022年11月号)

佐藤厚志(さとう あつし)『荒地の家族』(新潮 2022年12月号)

鈴木涼美(すずき すずみ)『グレイスレス』

■第168回直木三十五賞 候補作(出版社)

一穂ミチ(いちほ みち)『光のとこにいてね』(文藝春秋)

小川哲(おがわ さとし)『地図と拳(こぶし)』(集英社)

雫井脩介(しずくい しゅうすけ)『クロコダイル・ティアーズ』(文藝春秋)

千早茜(ちはや あかね)『しろがねの葉』(新潮社)

凪良ゆう(なぎら ゆう)『汝(なんじ)、星のごとく』 (講談社)

第76回毎日出版文化賞2022.11.4

〜文学・芸術部門〜

感覚のエデン
<亜紀書房>

岡崎乾二郎/著

世界に可能性はまだあるのか、「芸術」はその問いに答える方法である。時を超えて交錯する思考の運動が、星座のように明晰なる一つの図形となって、新たな知覚と認識を導く。

〜人文・社会部門〜

大久保利通  「知」を結ぶ指導者
<新潮社>

瀧井一博/著

旧君を裏切り、親友を見捨てた「冷酷なリアリスト」という、これまでの評価は正当なのか?富国強兵と殖産興業に突き進んだ強権的な指導者像の裏側には、人の才を見出して繋ぎ、地方からの国づくりを目指した、もう一つの素顔が隠されていた。膨大な史資料を読み解き、「知の政治家」としての新たなイメージを浮かび上がらせる、大久保論の決定版。

〜自然科学部門〜

津田梅子  科学への道、大学の夢
<東京大学出版会>

古川安/著

津田梅子は優れた生物学研究者だった!帰国後なぜ生物学者への道を歩まなかったのか、歩めなかったのか。科学とジェンダーという切り口で描く新しい梅子像。

〜企画部門〜

東京の生活史
<筑摩書房>

岸政彦/編

一五〇人が語り、一五〇人が聞いた東京の人生。

〜特別賞〜

該当なし

第167回 芥川龍之介賞・直木三十五賞 受賞作決定!2022.7.20

■第167回芥川龍之介賞

おいしいごはんが食べられますように
<講談社>

高瀬隼子/著

職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。ままならない人間関係を、食べものを通して描く傑作。心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。

■第167回直木三十五賞

夜に星を放つ
<文藝春秋>

窪美澄/著

もう何も失いたくない。でも私は、また人と関わりたいと思った。心の揺らぎが輝きを放つ短編集、著者の真骨頂五編。

第167回 芥川龍之介賞・直木三十五賞 候補作品決定!2022.6.17

第167回芥川龍之介賞・直木三十五賞の候補作をご紹介します(作者五十音順・敬称略)。
選考会は7月20日(水) 午後4時から、都内で開催されます。

■第167回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)

小砂川チト(こさがわ ちと)『家庭用安心坑夫』(群像6月号)

鈴木涼美(すずき すずみ) 『ギフテッド』(文學界6月号)

高瀬隼子(たかせ じゅんこ)『おいしいごはんが食べられますように』(群像1月号)

年森瑛(としもり あきら)『N/A(エヌエー)』(文學界5月号)

山下紘加(やました ひろか)『あくてえ』

■第167回直木三十五賞 候補作(出版社)

河崎秋子(かわさき あきこ)『絞め殺しの樹』(小学館)

窪美澄(くぼ みすみ)『夜に星を放つ』(文藝春秋)

呉勝浩(ご かつひろ)『爆弾』(講談社)

永井紗耶子(ながい さやこ)『女人入眼(にょにんじゅげん)』(中央公論新社)

深緑野分(ふかみどり のわき)『スタッフロール』 (文藝春秋)

2022年本屋大賞2022.4.6

〜大賞〜

同志少女よ、敵を撃て
<早川書房>

逢坂冬馬/著

1942年、独ソ戦のさなか、モスクワ近郊の村に住む狩りの名手セラフィマの暮らしは、ドイツ軍の襲撃により突如奪われる。母を殺され、復讐を誓った彼女は、女性狙撃小隊の一員となりスターリングラードの前線へ──。第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。

主な文学賞

小説

ミステリー・SF

児童・絵本

コミック

ノンフィクション

ご当地型

ジャンル特化型